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赤い柿探しを自転車で

ランチが終わり、今朝のパンは上手く焼けたね、と一人笑い。
一人だと周囲からの差し入れが増える。
しかもごちそうが来る。
いずれも長いおつきあいの常連様から。
軽く一人ランチして、自転車で山に向かう。
昼寝する猫達。
バッタを見つけた。
ファーブル先生気分だ。
おやおや。
母親の背中に子供が背負われてる。
写真気分になる。
親子で散歩してる。
そばに赤い柿が揺れてた。
猫、バッタ、赤い柿。
廃屋のそばを老婦が歩いてくる。
映画の舞台になりそう。
自転車は秋の匂いを捕まえてくれる。
空を見る。何だか雨模様。
赤い柿の群れを仰ぎ見る。
するとカラスが来た。
黒と赤の色彩が絶妙。
le huiteme jour.
邦題、8日目。
主人公は知的障害者。
しかも本人が現実にその障害者。
好きなダニエルオツイユが共演してる。
知的障害者独特の観察眼。
どこでも阻害される。
行き場がない。
ただそれだけの、しかし深い思いを抱かせる作品。
同情などどこにもなし。
ドライな、がしかし温かさを感じさせる。
そんな映画の事を思いながら走る。
イモ掘りの農夫とあいさつを交わす。
一期一会の瞬間。
農夫が言う。
気をつけてな。
たんたんと流れる重き日常はまるでプロレタリア文学みたいで。
廃屋を一つ一つ眺める。
ここで生まれ、ここで死んだ。
泣き笑い、苦しみ、愛し合い、嘆き。
それさえも消えて、今にも屋根が落ちて来そう。
2時間走り、厨房に戻る
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-31 15:37

カフェの男達

ピアフの生まれた19区のカフェの朝。
bon jour,monsieur,vous desirez?
何します?
カフェの主人が小声で私に話しかける。
un cafe,sil vous plait.
とカフェを注文する。
3ユーロと小銭を無造作に置く。
男達は決まってゴロワーズとジタン。
カフェに充満する独特の匂い。
一人で何時間もテーブルに座る。
フランス人じゃない。アラブ系の顔だ。
出稼ぎでフランスに渡り、地下で生きて来た男達。
その風貌は余りにいい味が出てる。
隣に座る。
どちらからともなく話かける。
そう、アルジェリアね。
独立戦争にも参加したとか、差別に苦しんだとか。
カフェは物語の舞台に相応しい。なまりのあるフランス語が味を出してる。
19区は観光客など皆無だ。
地下生活な場所。
何だかアルジェのカスバを思い出す。
一人でいつまでも1杯のカフェで呆然と空気を吸う男達。
諦めたのか、それとも未来を思うのか。
どんな場所に住んでるのか。
別れ際。
bon courage.
元気で。
最後に見せる奥深い笑み。
私はその場を立ち去る。
軽く握手して。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-30 16:46

料理人の1日

10月27日。
朝、猫が私を起こす。
再帰代名詞の過去形を含んだフランス語復習を30分だけ。
文法の最難関、大過去と条件法の部分。
フランス語はフランス人そのものだ。
何をどう理解していいものか。
諦めるか、と毎日溜息しながら。
会話にはあんまり、関係ない文法だけど、友人から借りたモーパッサンを読みたいがため。
先日、その友人に会った時、どうだっつた?と。
7時半。厨房。
パイ生地を折る。季節はパイのデザート。
朝11時まで25人分のle bento.
28日、29日とこの頃毎日がle bento.
まるで専門店みたいで。
ランチの準備も同時進行。
今週は朝から夜まで完璧に一人仕事。
製造からサービスまで一人舞台。
これがまた楽しい。
最大は4組までしたことも。
ただし、始まる時間差は了承していただきますが。
今回のボジョレ祭りは4日間に渡り、すでに予約が6,7割。
来年で30年。
家賃ゼロ、負債ゼロ、子供も独立、失うものは自分の心臓の鼓動の数だけ?
だから、お客様にはできるだけの事をしたい。
そういえば、昨日のランチのお客様。
おひとりがお誕生日だそう。
2時から私のジャズ仲間とのリハーサル。
何んという運のいいお客様。
happy birthdayの演奏までサービス。
そのあと私は空腹で外に食べる場所を探す。
無機質な定食で命を保つ。
夜、常連の人達を迎える。
10時帰宅。
食欲ゼロで納豆とご飯で済ます。
そのあと、1972年制作フランス映画、ブルジョワジーの秘めやかな愉しみ、を見た。
1972年は私もパリにいた。
当時の車、シトロエンDSやキャトルが路上にあふれてる。
涙出そうな風景。
原語と日本語訳の落差を探すのも面白い。
ダイアリー書いて電気付けたまま朝が来る。
またまた猫がやってくる。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-30 08:43

レストランの役割

基本的に料理の説明やややこしいメニュ表記は苦手で。
例。
フランスブレス産の鶏、南フランスの5種の野生ハーブで。ペリグー産のフォアグラ添え。
ややこしい表記が我が国で偽造し易い体質を作った。
ストレートに分かりやすく表記するのが正統派。
レストランの役割は?
お客様が日常を離れて会話とワイン、そして料理を手段に劇場のスターとなる。
給仕する人は勿論、黒子の立場です。
いるけどいない、いないけどいる。
いたずらに話しかけてはいけません。
話しかけられたら、遠慮がちに話す。
食事中は料理の会話をするのは少し寂しいもの。
矢張り、会話はいつもの内容を離れたほうが。
そして劇場の幕が下ります。
レストランの役割は空腹を満たす以上に会話の空腹も満たします。
数え切れない位、フランスでも料理を食べた。
一度も給仕がくどい説明をした記憶がありません。
お皿の内容を聞くと、簡単に答えてはくれます。
そんなレストランでありたいもの。
国際線に乗ると、メニュが配られます。
ロビュション監修のブルターニュ地方の冬メニュ特集ときた。
メニュから判断すると、期待100.
いよいよサービスが始まる。
何んという事はないじゃん。
何時も期待はずれ。
メニュが一番おいしそう。
それがビジネスクラスでも同じ。
サービスが違うだけの話。
表記は人を簡単にだませる痲薬。
心の芯からこみ上げる味を出せばいい。
今夜は晩秋に相応しいブルゴーニュの赤ワイン煮。
何も足さない、何も引かない。
純粋仕様。
フランスで作ってたそのもの。
19歳でロンドンのフランス料理店で作った思い出の一つ。
今朝、ランドックルーションのフランス語の案内を見た。
モンペリエに行こうか。
先日友人の一人娘さんが、来年からモンペリエ大学に留学するという話をお母さんから聞いたばかり。
13世紀に欧州で初めてできた医学部が有名。
日本での6年を終えてその学部に留学するという夢みたいな話。
我々凡才は盆栽でもはじめましょうか。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-26 18:24
今年の解禁は11月20日。
新酒まつりは20日、21日、22日、23日の4日間です。
21日、23日はもう少しのお席があります。
例年の常連に加えて新しいお客様も。
ボジョレ地方の今年の新酒が航空便で到着。
ただ集まり、そして飲んで食べて騒ぐだけの他愛のない時間。
だからこそのお楽しみというものです。
ワインがどうの、料理がどうの、という幼稚な大人は来ません。
その前に楽しい会話が用意されています。
来年は30年の通過点です。
先日5回目の男と女を見る。
何度見てもフランス映画は成熟してる。
物事を何でも白黒で決めつけるヤマト人には理解できない部分も。
それに会話が大人してる。
英語と異なり、フランス語は語調が平板だ。
ささやくようなまるで小鳥のさえずりに近い。
フランス語はベッドが一番、実力を発揮できる?
フランス人は食べる事と愛する事しか考えない民族。
まず愛ありきか。
11月2日から5日まで東京へ。
気になるフランチ探訪。
飯田橋あたりのフランス人シェフの料理店に行こうか。
最近、増えて来たランチボックス注文。
今、パリで流行してるle bento.
ズバリ、日本語でベントー。
数十単位の弁当を朝作ります。
単価は2000円から3000円です。
そこで活躍するフランスの弁当メニュです。
明日は土曜日。
朝8時から午前中は大人のビジネス英語の授業です。
中国やベトナムと貿易してる人への講義です。
午後は子供達。
英語など読めないのに。。
耳から侵入することも英語の早い事。
羨ましい限り。
その点、私はまず文法を理解、動詞変化に泣く。
毎日諦めては原点に帰る。
実に哀しい習性ですが。
ボジョレのお席はあと3割です。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-24 20:57

30周年の時

寒い2月にエアフランスでフランスへ飛ぶことにした。
深夜便で早朝にドゴール空港に到着。
30年の時間経過。
これを機会に更に進化をしたい。
秋の仏検を終えて、私は2015年の春に壮大な30周年を夢見てる。
揺るぎない方針。
これからが面白い。
ブルターニュの仕事仲間にも会いに行こう。
パリの30年来の友人達にも会いに行こう。
そして。
ここのお客様達に全身で感謝の気持ちを現実化する。
この時代。この揺れる時代。
戦国時代だからこそ面白い。
生き残るのは愉快だ。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-23 20:59

28年ぶりの再会

うん?どこかで聴いた様な名前だ。
お久しぶりです。
瞬間に記憶がよみがえります。
28年前。
パリから帰国したばかりの私でした。
彼はまだ20歳を超えたばかりの青年。
28年の間に彼は家庭を持ち、男の子3人を育てた。
時は過ぎてもあの時代の私達はそのままです。
短い人の時間の間で再会できた喜びは余りに大きいでした。
雨の夜。
トリュフォーの作品を見る。
la femme dacote..邦題隣の女。
グルノーブルの田舎で暮らす若い家族。
隣には空き家がある。
ある日の午後、ある家族が越してきた。
お互いの夫婦があいさつする。
新人夫妻の妻と若い家族の夫が瞬間に目が合う。
昔恋人だったんだ。
ある理由で別れた2人。
お互いの窓と窓から合図する。
午後の暇を見てホテルで愛し合う。
愛し合えば愛すほどに、離れられない。
女はこれが最後、と別れを告げる。
ある夜の事、女が男を闇の中に誘う。
2人は外で激しいセックスをする。
その瞬間。
女はピストルで男の頭を撃つ。
同時に女も自分の頭を撃つ。
それが最後の映像だ。
誰でも最高に愛した女がいるもんだ。
そして誰もがそんな女とは結婚はしてないはずだ。
最高に愛した女は別れたほうが賢明。
トリュフォーは天才だ。
生きる舞台は余りに劇的。
28年の空白。
再会はいつも劇的。
30年ぶりに再会したパリの女も劇的な瞬間だった。
人は劇的な物語を愛してる
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-06 20:50

若い人達が

最近、特に若いカップルが増えて来ました。
フランス料理の楽しさ、深さに加えて、人の手で作る味の良さの時代かも?
出来合いの反乱、すぐにチンして食べたれる時代だからこそ?
私のレストランより若い人達。
生まれる前に開店したレストランです。
来年で30年の歴史です。
ただただ上手い物を、との思いでフランスへ渡りました。
開店30年の間に数えたら海外遠征30数回でした。
来年の2月はバレンタインの翌日にエアフランスの深夜便でブルターニュへ。
まだまだ私のフランス料理は進化中です。
前菜からデザートまでの2時間は真剣勝負です。
中東から東アジアあたりは不安定な時代です。
香港や台湾の自治に関しても動乱。
世界を歩く私にはそれらの事情は理解しておく必要があります。
フランスに住んでた頃も近くで爆発がありました。
窓から煙が見えて、警察車両が統制してました。
ところで若い人達と交流するのは刺激になります。
人と人との出会いは生きてる証拠。
毎日新鮮な時間をいただきありがたい事です
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-01 15:34

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


by lautrec2kagoshima