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残り少ない2010です。
果たして料理人として、どれくらいの満足度だったものか。
その瞬間は上手く思えても、あとからは反省ばかりの毎日でした。
パリ訪問38年記念で改めて感じた事。
それはフランス料理の持つ限りない深さと、魅力です。
平面的な日本でのフランス料理とは反対の、彼らにはなくてはならないものです。
加えてアートの国。
料理のデザイン向上のために、最近、再びデッサンを始めました。
料理が運ばれた瞬間に網膜に投影する全体像。
そこからスタートする数分間の劇場。
個人的にはフランス近代絵画、中でもシニヤックが好きなので、淡い色を取り入れた色彩。
そして、点描風に画像を適度に散らしつつ、味の中心に向かうデザイン。
何しろ、退屈させないで、驚きをさし上げる仕事です。
今年も多くの新人グルメ達においでいただきました。
リピーターにもなっていただきました。
美味しい物を味わう資格。
それは多忙で金銭に恵まれ、社会的に地位の高い人。
この意見は辻静雄氏の考え方でもあります。
食事する時間だけがせめてもの個人の時間、という人達です。
来年で開業25周年です。
小さくてもいい、目立たなくてもいい、ささやかでもいい、マイペースで。
仕事が趣味の延長でもいい。
何より料理大好きなので、ただ喜んでいただけたら。
25周年はどうしましょう。
20周年の時は、食いしん坊達に3日間、食べていただきました。
それからパリに飛びました。
見習いシリーズ2です。
25周年からの夢はもう一度、パリでアパート暮らしをする事。
叶うお話ですが、叶うまでが楽しみです。
30日が最後の仕事。
ワインからすべて私にお任せの仕事です。
予算も何もない、貴族な時間は愉しみと苦しみの戦いです。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-28 17:21

聖夜の晩餐

聖夜の晩餐、この夜ばかりはお客様には最高な食卓です。
キャンセル待ちや、確保できなかったお客様には申し訳ない気持ちでした。
狭い空間に漂う上質な雰囲気が、全体を盛り上げます。
特に今年のお客様達は、今が旬の生き生きとした方ばかりでした。
あちこちで聴こえるシャンパンの泡の音や、ボルドーのワインの香り。
ナイフの音、笑い声、全体が小声の会話はパリのサンジェルマンみたいで。
5時から11時まで、1秒の休みなく、フライパンと格闘な私でした。
いつの日か、今度は自分が聖夜のお客になりたいものです。
クリスマスケーキも朝から製造して、楽しい日でした。
レストランの電気を消す瞬間は満足の塊になります。
理想は年末からフランスで過ごしたいものです。
過去2回はクリスマスあとにパリに飛びました。
着いたはいいが、大雪で後悔もしましたが。
24日の終わりは1年の締めくくりな気持ちです。
年内は30日まで、もう少し緊張な時間です。
昨夜のお客様達にお礼状を書くのが深夜のお楽しみです。
調理とサービスをさせていただき、本望です。
これ以上のクリスマスプレゼントはありません。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-25 08:23

自転車生活10周年

少年時代から自転車大好きな坊やでした。
中学時代は指宿や鹿児島へ。
土管がホテルに。
東京時代は東北への旅も。
そして10年前に自転車に戻りました。
山用にマウンテン、スピード用にレース用、持ち運びに折りたたみ、と3種。
10年で地球を回るくらいの距離を走りました。
日常の足は車より自転車。
ポストに投函するには便利だし、小さなお使いも便利だし。
この秋、ホテルの前に、レンタサイクルがありました。
カードでどこまでも乗れるし、ロンドン市内の自転車乗り場のどこにでも乗り捨て自由。
パリにも同じシステムで。
渋滞緩和策とエコの観点からの政策です。
朝のロンドンの通勤風景。
自転車通勤者の数はうなぎのぼりです。
自転車は何が面白いか。
自分だけの力で、その範囲内で好きな場所に行けます。
そして、空を仰ぎつつ、いろいろと考える時間に使える事です。
自分の故郷の周囲を観察すると、あるいは小説より面白い話にも出会えたりして。
自動車は道具、自転車は思考する道具。
冬の夜、星を見つつ、川べりを走る蛍おじさんです。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-21 17:53

仏蘭西の宣伝

9月の末、モンマルトルで探した20世紀初頭の広告。
ミルクや,ソープ、それにデパートとか時代の先端を行く商業主義が題材。
日本から船でマルセイユに着いてた時代のものです。
スローなテンポの匂いがするではありませんか。
18区のモンマルトルは今でも19世紀の雰囲気で満たされています。
レストランも古い新聞やこのような宣伝ポスターで埋め尽くされています。
こんな雰囲気のロートレックを探し当てて、遠くは宮崎あたりから来られます。
時代は急展開なんですね。
車で何時間もかけてここまで来られます。
そのお話を聞くと、できる限りのことをしてさし上げたいものです。
いかにここで心地いい時間と空間を創出できるものか。
サービスは調理よりはるかに難しいものです。
レストラン内部をこの秋、モンマルトル仕様に変更しました。
次回はパリで今回撮影した風景のモノクロを掲げる予定です
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-19 21:10

料理教室の最終講座

12回の2010年の講座も今日で終わりでした。
新入生も加わり、楽しい時間です。
メインに魚に生ハムを巻いて、オリーブオイルでソテした後。
トマトやハーブ、それにフランス産チーズを乗せます。
オーブンで軽く火を入れた後、バルサミコとオリーブオイル、トマトでソースを作ります。
地中海沿岸の典型的な魚料理です。
その香りが独特です。
生ハムと魚の塩のバランスも印象的です。
食事中の会話が一番に楽しいものです。
年齢差を超えて、つつましい会話内容を基本に、みなさんの優しさがあふれ出ます。
食事中の会話でその人の歴史が読めてきます。
明日から本格的に緊張の日々が始まります。
人数でも金額でもなく、私に最高を求めるお客様、の意味です。
作り手、食べ手、この両者が平行して初めて生まれるテーブルです。
素直においしさを受け入れる人こそが、美味しさの楽しさを知るのでしょうか。
明日から今年最後の新作を導入しながら、のスタートです。
来年は開業25周年です。
常に見習いの気持ち、常に自分の無知を自覚して25年でした。
昨夜のジャズライブ。
私の料理を頂いた5名のお客様がそのままライブハウスへ。
今度は私のジャズ料理を味わいに。
何とも恵まれた私の日常か。
ミュートの効いたトランペットの、whats new からスタートです。
最後に、チュニジアの夜でした。
イントロのべースに上手く乗り、ぐんぐん、とアドリブの火花。
音楽は演奏する側に限ります。
音を出す、味を出す。同じ意味で同じ才能か?
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-16 20:54

飛行機の隣は誰?

国際線は最低でも5,6時間、欧州なら12時間以上。
一人旅の私に取り、隣がどんな人かで、飛行時間の内容が決まります。
日本人男性。日本人女性。アジア人男性。アジア人女性。欧米系男性。
英語理解者。英語無理解者。観光客。ビジネス。。。。
この9月、パリーサイゴン間は30年前にボートピープルでフランスに逃げたベトナム人でした。
18歳でパリ単独到着。
働きながら大学へ。その間、13区の中華料理店でバイト。
弟や親せきを呼び、総勢15人で生活したと。
やがて彼はフランスマツダの経理で仕事に。。
5年ぶりの帰郷、テニス大好きで大きなケースを持っていました。
ベトナム戦争の話やフランスの苦労話をしてくれました。
韓国人ビジネスマンの李さんとはパリ行きで。
1983年の頃です。以来、韓国に招かれて1週間の旅を2人でしたことも
日本で唯一のカーオブザイヤーの女性選考委員とはしばらく交流が。イワサダルミコという方です。
ルマン24の取材で、パリに着いてから、フランスマツダのフランス人通訳とカフェしたり。
ある時はロンドンのロックコンサート取材で、オグラエージさんと隣で、到着まで英国音楽の話題で。
ある時は英国人カメラマンと。
ニューポートジャズフェスのカメラマンでした。
そのあと、彼が東京に来て、私の新宿ピットインでのライブを撮影してくれたり。
今じゃ貴重な一枚になりました。
こんないい思い出だけじゃなく、言葉の通じないスペイン人とかイタリア人とか。
交流がないと、退屈そのものです。
隣の席は誰か。宝くじです
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-13 08:55

年賀状書き

恒例の年賀状書きの始まりです。
住所碌。今年出会えた多くの新人。
旧知の人々。
喪に服された人達やその親類は、年賀じゃなく、ごあいさつのお手紙。
モンブランの149に、今では絶版の群青色を吸入する。
まずは住所と名前を書き始めます。
一人ひとりの名前を書きながら、私の思いを作り上げていきます。
50枚単位で乾燥を待ちます。
いよいよ本文に入ります。
短く、メッセージ性と私の気持ちが伝わる文章を40-60文字で。
最後にフランスのスタンプと私の落款を押します。
一人2,3分のジャズのアドリブに似て、下書きなしのブールーノート多用の演奏です。
礼儀だけの、ましてや関係ない子供写真入りの未熟な年賀の増えてる事。
その中で、印刷の中に手書きを見つけると、嬉しいもの。
この季節、欧州やアジアからのクリスマスカードが届きます。
タイプ文字に必ず、手書きの文章も当然あります。
毎年、筆ですべてを書いて来れれる方もいます。
え?あんなに多忙で社会の中心で活躍されてるのに。
さて、来年の年賀大賞はどなたに?
頂いた中より選んで、その方に私の嬉しい気持ちを、もう一度伝えます。
年賀を書く時に、久しぶり多くの方とお話ができるのも楽しみです。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-12 08:11
午後定例の高齢者さんへのライブに。
車いすで30名くらいの人達がお集まり。
偶然に、ある女性と目が合いました。
若い頃は素敵で、頭の良さそうな人です。
そのやわらかい目、その優しい表情。
いつものボサノバスタンダードで始まりです。
今日は要請もあり、瀬戸の花嫁を皆さんと唄います。
大きな文字で書かれた歌詞を配りました。
最初は練習で1番だけ。
皆さん、お若い頃の流行歌です。
もう一度、と声をかけます。
大きな声で大合唱されました。
途中、フルート奏者が、ソロでふるさとを吹き始めました。
客席を吹きながら、みなさんの周りを歩いています。
そのふくよかで情感あふれる演奏に合わせて歌い出す方も。
人生の最後のステージ。
私もできるだけの音で皆さんを楽しませたい、と思う午後です。
最後に、聖しこの夜を演奏しました。
風邪引かないでくださいね。
来年もここで皆さんと唄いましょう、と約束。
外に出たら、冷たい風が吹いていました。
誰もがやがて、やってくる老齢の時。
人にやさしい音を奏でられる幸せ。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-10 21:12
委員会、と言っても、会員は私一人ですが。
材料は牡蠣、フランス産の鴨、ペリグーのフォアグラ。
ワインはボルドー地方のジロンド。
味付けは、寒さ対策でクリーム系。
デセールは熱々のリンゴのノルマンデイ風。
待てよ、フランス産のチーズが届いたから、これも使える。
寒い冬の定番は、リオン風のオニオンスープもいいね。
グルノーブルのジャガイモのグラタンも美味しそう。
冬は北フランス、ストラスブール地方の煮込みも温まりそう。
なんとなく、寒いパリを思う今夜。
昨夜のパリの友達からのメール。
零下だよ、午前中は。寒い12月だよ。
思い出す、12月の厨房。朝、地下の厨房に降りると、まるで氷の世界。
朝から晩までフランス語と仕事でつぶれそうな毎日。
今はそれもいい財産になりました。
フランス人の食いしん坊ぶりに最初は驚くばかりでした。
彼らは不器用だけど、創造性があるし。
仕事を一つの物語に仕立てる才能も豊かだし。
さて、大人数は計画が大切です。
流れるように、が基本です。
一人で20名以上に感動させるには?
油断の出来ない職業の一つです。
何しろ、期待と夢を持ってここに来られるからです。
ここは私の大好きなタルト専門のお店。
この焼き具合、この色、まさにフランスの色です。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-08 21:43

エコなカーライフ

世の中全体がエコ、エコ、エコ。
どうしてエコがいいのか、原油の節約?温暖化対策?
車だけをエコにしても、どらくらいの効果があるのやら。
昨夜、ここに2台で1100馬力の車が来ました。
実に10台分以上の馬力です。
さらに2台でわずか定員4人のまさに反エコの塊。
当然、その2人は大食い?と思いきや。
いや、健康にもエコが大切だよね。食べ過ぎは体に良くないよね。
エコには夢がない。
エコは平均な国民で通知表3の世界です。
自動車がエコの対象になるには英国人を見習いましょう。
1台平均20年は乗ります。
私の英国車は40年の生命でした。
私の音楽相棒は音大時代から唯一の楽器を今も愛用中。
エコとは、壊れても壊れても使いまくる事の意味に使いたいものです。
私の料理道具も基本はフランス時代のものです。
よく厨房に食器店の人が販売に来ました。
あと100年使えるフライパン。
5日で壊れる日本製の安物。
エコと言う名の安物を大量に売る商人が多い我が国です。
それにしても1100馬力の車代行は悲惨です。
ぶつけたら。。。。。
保険がどうの、というレベルじゃないし。
気を使うという点でもエコじゃないのが偉いです。

元気な日本、こんな反エコなスポーツカーが走り回る世の復活を望むところ。
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by lautrec2kagoshima | 2010-12-08 07:42

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


by lautrec2kagoshima