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martinique島のシルヴィ

かつてパリ時代の厨房にシルヴィという若い女性がいました。
肌色の浅黒い娘でした。
パリに来て数年のデザートの担当でした。
いつか昼休みに故郷の写真を見せてくれました。
ヤシの木々の下に建つ故郷の家。
父と母の写真と兄弟達。
地図で見ると、キューバのあるカリブ海の島です。
フランス海外県のひとつです。
つまりフランス人です。
たまにコンビを組んでデザートを作るものでした。
ある朝、シルヴィが故郷に帰る事に。
別れを惜しんだ後、何かをくれました。
開けると、その島の絵が描かれたTシャツでした。
初めてで最後の別れのキスをして、厨房を後にしました。
今も私の店に写真で生きてる仲間、チェリー。
20歳の若者でした。
ソニー、今日で俺はここからいなくなるよ。
兵役義務さ。暫く我慢の日々だよ。行きたくなんかないよ。
何より自由主義者のフランス人です。
彼の感性は特に豊かなので、非人間的な環境で死ななければ、と仲間達。
すぐに帰るよ、脱走してくるよ、と笑いながら行きました。
そのあとのうわさではモンパルナス駅近くのブルターニュレストランにいるとか。
当時は手紙しか手段のない時代でした。
最近は外国便も来なくなりました。
空しいメールの時代です。
人間の指でしか書けないもの、そんな熱のこもる精神の交流はすでに幻です。
ここにある膨大な外国で遭遇した人達の住所。
一度、全員に連絡しようと、考えています。
キューバの近くのシルヴィの島の写真は今でも新鮮です。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-22 08:20

ブイヤベースの話

パリ国鉄マルセイユ駅を出ると、眼前に広がる地中海。
坂を下ると、海辺に出ます。
目的は一つだけ。
ブイヤベースを食らう。
魚、それも雑魚を煮込んだ漁師の食べ物でした。
それが今はマルセイユ名物の料理に。
前回の訪問では、レストランの若い娘に騙されました。
観光客相手のしようもないレストランです。
何せ英語がうますぎる。つまり、味音痴の日本人かアメリカ人相手。
座るとすぐに何も注文しないのに、適当にブイヤベースが出てきました。
冷めている魚のスープ。
だしの効かないスープ。
後悔とともに、ノートルダム教会に登りました。
かなりの急な坂道です。
その教会からの眺め。世界1でしょう。
一昨年、マルセイユに再び。
今度は本物、と心して予約までしました。
ミラマー、というミシュラン2星です。
潮風最高、戸外のテーブルでオマール、カサゴなどのお皿にご満悦。
値段は法外。間違い?
そのシェフが先週の朝日新聞で、ブイヤベースを紹介してました。
やはり、地元民と行くのが正解でしょう。
そろそろパリ病が再燃するこの頃。
目的は一つ、厨房でフランス人と1週間でも仕事したいです。
ブイヤベースは単純な中に隠れる面白い料理のひとつです。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-17 14:17

幻想と現実

172 holland street london
4,drayton gardens sw10 london
10,peclet 15e paris
44,damremont 18e paris
私の暮らしたロンドンとパリのアドレスです。
グーグルでそのアパートの風景が出てきます。
30年前と同じ風景です。
隣の教会も同じです。
なんという時代でしょう。
幻想と思い、これまで思い出として保管していました。
改めてその風景を眺めると、20歳の若造が粋がり、ロンドンで生きてた様子が見えます。
家主がユダヤ人で、戦争の話をしてくれた事。
不動産のおやじが旧い4ォードエスコートで172番地を案内してくれたこと。
英語も出来ずに、言われるがままに部屋を見せられた朝。
今じゃ笑える風景です。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-15 16:33

辞書と格闘の午後

フランスから届く料理本。
眺めてるだけじゃお金の浪費とばかり、読み始めます。
時に知らない単語や言い回しが出てくると、辞書の出番です。
そうか、こういう調理法か、なんだ、これか、と改めて知ります。
フランス語は動詞の変化がすさまじいので、すぐにあきがきます。
写真が美しいし、宣伝も楽しいし、ああ、フランス最高、と独り言。
そんな午後に英国から大きな郵便が届きました。
英国南部に住む友人からのものです。
彼は現在、ある市の商工会議所の会頭です。
英国車MGの会長を25年してる典型的なジョンブルです。
mgクラブの会報と会議所のマガジンが同封されていました。
2006年パリで夫妻と待ち合わせして、友人の11区のフランス料理店へ。
20年来の信頼関係です。
日本で勉強した英語など役に立ちません。
その表現方法がなんだか違います。
フランス語から英語へ転換の午後でした。
夜は久しぶりに会う若い女性達。
その中に7年住んだ北京から帰郷した娘が。
8年前に英国留学のお手伝いした人です。
それから中国で商社に勤務。
現在は東京本社に異動があり、本郷に暮らしてるそうな。
面白い生き方、輝く女に会うのは楽しいものです。
それにしても、フランス語は苦手な事です。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-11 22:22

デザート販売再開

恥ずかしながら、ロビュションと同じパチシエからスタートした私。
レストラン部門の仕上げである、デセール。
デザートも料理という考え方は本国では当然の理です。
パリから戻り、最初の1年間はデザートのみの販売でした。
この2年余り、デザート販売は一時休止していました。
周囲の声、本物のフランスデザートの要望にようやく反応しました。
ミルフイユ、りんごのタルト、フロマージュブラン、タルトオフリュイ、。。
何とも懐かしいパリのお菓子達です。
単純な見かけの裏に潜むフランス料理の裏ワザ。
和風洋菓子と大きく異なるのは、その味の複雑さです。
料理の後の最後のデザートです。
そのコースのフィナーレです。
終幕の味にすべてが集約されます。
すべてが私一人の作業です。
多くの種類は無理でしょう。
6,7種の季節のフランスを作ります。
パリ時代のレシピが活躍します
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-10 21:01

レモンの実

根占の諏訪神社から山の方向へ歩きました。
晩秋の乾いた空気に柿が熟しています。
ふと、大きなレモンの木に出くわしました。
6,7メートルのレモンの木が一つ。
全身に実るレモンの実で近寄ると、何とも地中海の香りです。
馬鹿な私は、すぐに魚介と野菜が目に浮かびます。
こいつを絞り、オリーブオイルと塩で食いたい。。
何時しか、シチリア島のレモン林に紛れ込んだ記憶が。
でかくて、ぶつぶつしたシチリアレモン。
市場で買い求め、魚やでエビと牡蠣を買いました。
バローロ市場の階段に腰掛けて、夢中でレモンを絞りました。
け、け、け、上手いうまい。
昨日のレモンを一つ盗みました。
明日の自分のサラダ用です。
国産レモンは青い色。
隣に珍しいかんきつ類が。
そうだ、グレープフルーツだ。
匂いを嗅ぐと、そうでした。
まるでブドウのような実の付け方です。
次回は根占の海辺で魚を買い、この神社でランチ、と行きましょう。
シチリアでは教会の階段で食べました。
いずれも宗教ランチといえます。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-09 21:33

ボジョレヌーボー

今年は11月19日がボジョレヌーボーの日です。
今年の新酒、とれたてしぼりたてのワイン。
その味はともかく、大騒ぎしよう、と理性不足の大人達が集結。
とびきりのおしゃれと気のきいた会話。
それだけの準備で十分です。
昨日フランスから成田にカーゴ便で到着。
フランスの法律に従い、第3木曜日に販売が可能になります。
毎年、数日前にここには輸入元から届きます。
秘密に厨房で開けてしまいます。
法律違反?な味を占める数人の悪い人達です。 
美味しいとか、の話じゃなく、おめでたいお話にすぎません。
ボジョレ地方の鴨やポークの伝統的なお皿。
ここではシャンソンを歌い、夜更けまで大騒ぎです。
味は会話でさらに美味しくなります。
イタリアの南、戸外のテラスで食べると、味がさらに美味しく感じられます。
ギャルソン氏に聞きました。
その理由。空気は最高の味の素。
理由その2.青空が天然のお皿。
食べる場所、同席者、体調、あらゆる条件が必要です。
今年のボジョレ祭り。
いつもの顔が、いつもの淑女が、いつものフランスかぶれが。。
最低必要条件がそろいました。
あとはワインの栓を開けるだけです。
バラ色の人生を皆さんで最後に歌います。
午前0時。レストランの光が消えます。
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by lautrec2kagoshima | 2009-11-04 17:32

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


by lautrec2kagoshima