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膨大な記録

整理しないまま、机の中や本棚、倉庫に眠る15歳からの日記
36年間の旅記録や料理ノート、フランス修業時代のメモ。
りんご箱でいくつあるだろうか。
人はいう
この絵入りの旅日記を本にしたり、出版すれば、と。
ええ?誰に教えないといけないのですか?
きわめて個人の世界なので、できませんが。
最近、15歳の高校時代の記録を焼いた。
読みながら過ぎ去りし青春と別れる時間。
泣きながらちぎった写真、手のひらにひろげてみたの、の世界。
生きる終幕に向い、最近は処分しはじめた。
別に貴重でもないし、子供に読ませる価値もないし。
ましてや死んだ後、他人に読まれるのは論外だ。
ロンドン時代の記録は生意気に英語。
出来ないくせに若気の至り。
パリ時代は丁寧にフランス語。
その時代、フランス人の仲間達がこのノートをよく利用した。
言葉のハンデから細かい点まで記録した。
今ではソースが染み付いて、その時代が飛び出す。
これだけは焼きたくない気がする。
こうしてだんだんと身の回りが軽くなると、気持ちがいい。
文字文化は最後の人間らしさか。
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-31 06:23

旅の伴侶

これまでの36年間の旅。
そのほとんどが一人旅でした。
仕事以外に名所旧跡や美術館を訪問するような文化度のない私。
絵を描いたり、地元民たちと騒いだり。
疲れてホテルの寝床にごろり。
唯一の日本語の本。
旅の伴侶、兼好法師の方丈記です。
原文で読まされた受験生時代は苦手な分野でした。
旅の途中で、現代語訳で時に朝まで読みます。
パスカルと比較される哲学書ですが、内容は簡単明瞭。
たんたんと無常に無欲で風になり、ひょうひょうと生きよ。
しかし、現実の壁は厚く、なかなか兼好法師のようにいきません。
その彼も悩みすぎて、最後まで悟りの境地までたどり着けないようです。
フランスにいながら、夜は大昔の日本の書物です。
方丈記を完全に理解すると、インターネットはごみ化するでしょう。
一人無為な時間の中で、過ぎ去りし日を思い、愛した人を想う。
時に恋文など読み、過去に戻る時間、若い頃の女達との時間。
青山のクラブで女達と騒いで、ジャズしてたころの写真。
19歳のロンドンの地下の厨房。32歳のパリの厨房。アフリカの砂漠でのらくだ。
そんな時間を出来るだけ見つけるようにしている最近。
つれずれなるままに日暮らし。。の冒頭の現代版です。
自転車は動く方丈記です。
ぶらり、ぶらりと当ても無く、田舎の知らない道を無為に走る。
その瞬間、メニュが浮かんだり、アドリブのフレーズが飛び出す。
方丈記。これ一つでちまたにあふれるインフレ人生読本がごみと化す。
江戸時代の人気本でもありました。
よき日本人の原点,原書のひとつでしょう。
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-27 21:00

ハイブリッドの時代到来

今や世界中がエコで大騒ぎです。
大量消費の反省から生まれたエコロジー。
すでに手遅れな部分も。
燃費がいい、それが流行のハイブリッド車。
原油の残量や排気ガスの点からも優位な車。
しかし、10年前から自転車で市内の用事を済ませる私。
今や、日常は車なしで生きていける自信も。
ドイツやフランス、特にパリ市内は自転車専用道路が最近、充実。
また市内のどこでも自転車をレンタルできるシステムが開始された。
自動車から自転車へ。
最先端のハイブリッドです。
燃料はご飯、購入は無税。
空気を入れるだけの単純なのりものだ。
ドイツの町は今や自転車だらけだ。
必要に応じて自動車を利用する。
経済効果は無いが、予防医学的には効果大。
先日のレストランはエコカーだけで占領された
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-23 20:49

パン焼き

今週は早朝からパン焼き職人。
単純な作業だが、発酵だけは注意しています。
全て私の料理専用に焼くので、おやつじゃありません。
力強いソースに負けない、ポタージュと対等な、ボルドーのシャトウワインと会話できる。
3,4種のパンを焼きます。
全粒粉の持つ独自の味。
プロバンスのハーブの放つ香り。
くるみのローストからにじみ出るオイルの味。
パリ時代、時々パン製造にまわされた。
最初は拒否する姿勢だった。その理由はパン焼きには興味がなかった。
パンは料理より下等だと、誤解していたのだろう。
しかし、料理を知るほどにパンの重要性が理解できた。
今ではパンを焼く朝はわくわく。
9区のブーランジェリ、パリでとても有名なパン屋にいた頃。
暗い朝にモンマルトルを歩いて地下の工場にもぐる。
当時、まず、どんぶりでカフェオレを飲んでた。
その時代を思い出し、今朝もカフェオレを飲んだ。
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-21 23:29

ベーシスト誕生

最近、ギターでサンバを弾くことが多くなった。
すると、ベーシストがどうしても必要になる。
可能なら同時にベースも弾けたら、と一人希望の私。
そのベーシストが新加入した。
彼も本業はギタリストだ。
弦が2本少ないだけの簡素なギターがベース。
という考えは成立しない。
リズムを出し、コードの構成音を構築し、全体の地図として、心臓として。
これはバンドの要である。
正確なビート、立ち上がりのいい音、鋭い音、躍動する音、アドリブ奏者を鼓舞するライン。
ま、贅沢は言わない。
演奏が始まる。
全体に流れる和音の響きにアドリブを乗せる。
アドリブ奏者が楽しいわけだ。
もう止まらない。
湧き水の如く、アルハンブラの泉のごとく。
アドリブが流れ出す。
そうか、ベースはこんなに大切なんだ。
と、ベース歴30年の私の感想。
案外、自分がみえないように、自分の楽器もこれまで見えないものでした。
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-16 23:13

100以上の言語都市

パリのメトロの朝。
毎朝の通勤電車の中から聴こえる言語の種類の多さ。
フランス語、英語ならまだいい。
セネガル語、アラブ語、ロシア語、中国語、、、、
100以上の言語がパリの日常語。
また1区から20区まで区ごとに住人のすみわけがある。
18区はまるでアルジェの裏町。
クスクスの匂いとコーランの響き。
19区は最近、通い始めた地区。
カンボジアやベトナム難民達の生活圏だ。
漢字の目立つ振興アジアの様相だ。
11区はイタリア広場を中心とした中華街だ。
16区は上流階級の棲家が多く、新型フェラリがさりげなく停車してる。
パリで生きるのはある面、気楽だ。
思考の数が人種分あるので、より自由に生きられる。
社会主義、全体主義のわが祖国とは正反対だ。
メトロの中、民族衣装を眺めるのも楽しい。
1日中300あるメトロの駅を探検するのも楽しいかもしれない。
パリは天国と地獄を併せ持つ魔性の都。
食、アート、女、音楽、文学、全てが最先端だ。
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-12 08:41

1990年6月

パリ暮らしを終えて4年目の6月の朝。
1か月の予定でフランスの半分を駆け巡る旅に出ました。
最初の1週間はパリのレストランとパン屋。
その後、マリーとスペイン国境沿いの保養地、ベアリッツへ飛んだ。
3日間、別荘で飲み食いした後、プジョー205でスペインへ。
ヘミングウェーの小説の舞台、パンプローナで無駄食いしたり。
スペイン娘3人乗せての愉快な旅のあと。
ピレネーを越えて、ペリグー経由でボルドーへ。
シェルブールの地方道でのこと。
2人、アジア人らしい男女が立ってる。
どうやらヒッチハイクの様相だ。
どうぞ、と私。
日本人夫婦だ。
数秒後に意気投合。関西弁がフランスでは新鮮だ。
モンサンミシェルに登り、その足でゲランドへ。
パリ時代の仲間、クリストフのレストランでお手伝いの約束。
さて、到着はしたぞ。
どうしますか、これから。目的ありますか?
特にありませんが。。という事でクリストフに依頼する。
この2人皿洗い、掃除、何でもlさせてよ。その替わりさ、ご飯と部屋を提供して。
ああ、いいよ。
6日間、この夫婦はフランス語ゼロの中で生き抜けた。
ある朝、自動車に乗せられた。どこへ?
山で巻き割りの刑が待ってたそうな。
今夜、この夫婦から突然のメール。
18年前の記録したノートから私の名前が出てきたらしい。
検索して連絡が来た。
18年前の3人の笑いが蘇る。
まだ30代の青年だった私でした。
コグレルも消えてクリストフも離婚したらしい。
時代は変わる。しかし、交流した人間は不滅
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by lautrec2kagoshima | 2009-05-06 22:52

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


by lautrec2kagoshima