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le salon de marriage

28日の夜、今年最後のマリアージュ。
自家製パテ2種にシャンパーニュ。グラン。クリュブリュト。
フランス産ほろほろ鳥のコンフイにシャトウ マルロメ ルージュ。
かれいのポワレ 渡り蟹のソースアメリケーヌにルイラツール
子牛ノボルドー風赤ワインソースにコート ロテイ ラ ツルク
イチゴのクレームシャンテイ、ショコラとジャクドフランス ロゼ。
6種のフランスワイン、それもソムリエ厳選のつわもの。
2ヶ月の間、私との討議、そして、実現の夜が来た。
16名の紳士淑女?が7時に全員揃う。
シャンパーニュのあける音で始まる。
じゃーという泡の音楽からスタートだ。
これ以上の料理とワインの組み合わせは、しばらくないだろう。
マルロメルージュはロートレックの先祖が所有していたお城だ。
彼が夢破れて36歳で故郷のこのお城に戻る。
お母さんに抱かれて死んだお城だ。
ここで生産されたワインが私のレストランに来ている。
運命を思う。
朝から仕込んだ料理がどんどん出て行く。
まるでわが子が舞台に立つようだ。
11時くらいまで騒いだ。
最後の2008年のマリアージュ。
フランス語が飛び交うのも不思議じゃない雰囲気だ。
パリ5区のカルチェラタンを連想する。
ふと、パリに行こうと思う。
最後の夜、真剣勝負した。
ソムリエ氏が私に大いなる刺激を下さる。
今年の一年、充実の料理といえる。
来年はさらに向上したいもの。
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-31 17:25

音楽家達の会話

フルート奏者、ジャズベーシスト、メンデルスゾーン音楽大学の学生,ヤナーチェク音楽大学からの帰国者、作曲家。。音楽を食べてる人種が集まる。
会話は3時間、音楽を食べる事に専心。
大の大人達がブラームスがどうの、中世の教会音楽がどうの、とわいわいがやがや。
まとまりがない割りに楽しい時間。
目に見えない音、しかも瞬間に消えるはかない命だ。
演奏しない時はただの人だ。
帰り際、ヤナーチェク氏がスークのピアノ曲を演奏した。
東欧スラブ独特の旋律と和音。
とうとうの流れる河の水の音がする。
小品ながら、物語性のある叙情あふれる曲だ。
大地を吹き抜ける風の音がする。
悠久の流れに自分を委ねて、どこまでも旅する気持ちになる。
何かを追いかける人だけが秘める神秘性。
もう2度とこの集合は無いでしょう
それだけにかけがえの無い時間でした。
寒い旧東独の空に再びピアノに命を賭けるその一人。
生きて、ピアノを弾いて。。
ただそれだけのために生きる潔さ。
次回の帰国の際はここでショパンが聴けますように。。。。
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-27 22:51

試合開始30分前

試合開始30分前まで寝転んだり、ギターやベースを弾いたり。
よし、と自分に気合を入れる。
熱いカフェを一口。
調理台にナイフ、各種ハーブ類、今夜のソース類、素材などを並べる。
パンの準備。デザートの用意。
オーブンの温度。
およそ2時間の試合が始まる。
毎晩、ゲストが違う。戦う相手が違う。
試合開始。緊張の後で、勝負師の集中が本能で湧き上がる。
ジャズと同じだ。新宿ピットインでの楽屋と同じだ。
お願いします。
演奏が始まる。料理が始まる。
昨日、ソロでボサノバをライブで演奏した。
本番が全てだ。唄う曲もその場で決める。
その雰囲気で曲や会話を設ける。
2時間の調理の後、突然に疲労と満足が私に訪れる。
この30分前の緊張が大切だ。
ジャズも料理も根幹は同一。
最高に楽しい2つの世界。
これで喜ばれてくれるのだから、仕事としてもご機嫌だ。
今年の後半は充実した。
音楽も料理も私の生涯の宝となった。
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-22 23:41
初めての素材を扱うのは、じつにワクワクです。
今朝、東京から届いたほろほろ鳥。
骨つきのもも肉だ。
どう調理すれば一番美味しいのか、考える。
案外、淡白な肉質だから、濃いソースが合いそうだ。
趣味で楽しみでこの世界に落ちた私。
ジャズと同じで、その人の個性でいかようにも改良できるのが面白い。
多分、今日まで自分が食べたいがために毎日の仕事を継続したのかも。
南フランスのある地方料理を食べたいだけのために、その町にでかける。
とことん,散財してその場所に行く。
言い訳があり、運命が私の背中を押すんです、と。
仕方なく、出かけるのです、と。
こんな自分勝手な人はいないだろう、と自分でも分るんですから・
レストラン開業23年。初めて今年、祖国を出ませんでした。
機会はありましたが、なんとなく、ここにいました。
今年も終りです。いい年でした。新しいメニュも増えたし、ゲストも新人が増えました。
ゲストを喜ばせる事。
これが今年の目標でした。
この手で全てを作る固い意志が通じたのでしょうか。
中世のハンザ同盟意識を保持したいです。
不便なところに喜びがある。
ドイツの教育の根幹です。
残り少ない2008.最後まで手を抜かずに,マニフャクチャー的人でありたい
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-19 23:19

生きたショパン。

寒い冬の朝、ワルシャワ郊外からパリに着いたショパン。
プレサレイエル氏の要請で演奏する。
革命。私の前で現実の演奏が始まる。
1メートル先で繰り広げられる演奏。
演奏家の呼吸が時に聴こえる。
鍵盤を自由に舞う蝶のようだ。
ワルツを踊る仮面舞踏会の若き貴婦人のようだ。
ショパンの魂を充分に熟成させた演奏は劇的ですらある。
6年のメンデルスゾーン学院での醸造が完熟に到達する瞬間。
人が悪魔と手をつないだ時にしか可能にならない、そんな演奏だ。
その劇的瞬間。
鍵盤が演奏家になり、演奏家が鍵盤になる。
同一化が始まる時、初めて感動が生まれる。
2004年、ポーランド訪問の前、ホロビッツのピアノでショパンを聴いた。
やはり、個人的に演奏してもらえる特権はいいもの。
なんという柔軟なリズム感と、歌心。
まるでショパンがパリのサロンで演奏してるようだ。
演奏会はサロンに限る。
貴族達がおかかえ演奏家を大切にしたはずだ。
ショパンの天才ぶりを見事に再現していただいた。
そして再び、このピアニストは寒いドイツに帰る。
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-14 22:28

シベリアな厨房

朝8時に厨房に来る。
マイナスな温度が全体を囲んでいる。
フランス時代の冬、暗い朝のモンマルトルを降りて、レストランに向った。
マイナス10度の冬。
階段を降りると、パンを焼く匂いが充満してた。
朝3時からパン職人達は働いてる。
熱がオーブンから飛び出してきた。
カフェオレをどんぶりで飲み、焼きたてのクロワッサンをかぶりつく。
それから不便なフランス語の世界での長い一日。
厨房は地下にあるので、空を見ないで一日が終わる。
階段を登ると、夜が来てる。
朝と同じ暗さの中、モンマルトルの階段を上がる。
ここの厨房も最近、かなりの寒さだ。
すぐにガスで準備にいる。
パン焼きには不適すぎる温度だ。
イースト菌も起きてこない。
私も寒さでエンジンがかからない。
不快な夏も辛いが、寒い冬も辛い。
つまり、1年中辛いという訳か。
今夜も冷えそうだ。温かいメニュでゲストを迎えよう
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-08 16:52
どうしたらジャズが出来るようになるんですか?
よくある質問のひとつです。
その前に楽器がおもちゃのように取り扱える事。
手遊び感覚でいじれる子供の領分的存在。
自分の思う音が少しでも出せる事。
自分の好きな音楽を一音でもまね出来る事。
コード進行や和音の構成を完全に暗記できる事。
同時にいろいろなリズムを感じられる事。
先生につく必要はありません。
先生は偉大な音楽家達です。
耳を鍛えましょう。
性格は楽天家で適当な人種。
女性を楽しませる事が好きな男。
要するにジャズはその人の表現方法にほかならぬ。
模倣は料理でも絵画でも同じ事でしょう。
先ず偉大な芸術は模倣から、と言われます。
ジャズ演奏家の大事な条件。
もう一つ。飽きやすい事。
2度と同じ演奏しないのが最低条件です。
その点で私は充分に適合しています。
何しろ飽きやすい事は小学1年生の通知表に書かれてた。
だからこそジャズが向いてたのでしょう。
料理も毎回変えてみたいと、今でも思うのですから。
ジャズ。人生はジャズ。なにが起こるかわからない。
何時、いい女に出会うか分らない。
だから、毎日、アドリブ精神で生きていこう
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-04 23:00 | 音楽と生演奏

サービス一切無しの航空

パリーニース間の格安航空券をネットで見つけた。
英国のイージージェットという航空だ。
面白い値段設定で有名だ。
その日その日で値段が大きく変わるのだ。
客が集まる分だけ、安くなるシステムだ。
今日は1万円、あすは4千円、という具合に。
だから何時予約するかが問題。
まるで株の投資に似てる。
欧州のほとんどの基幹ラインをカバーしている。
英国航空をも買収しかねない勢いだ。
さて、パリのシャルルドゴールに着いた私。
第3ターミナルが離陸する場所だ。
そのターミナルを探せないのだ。
歩いて歩いて、まるで第1次大戦の飛行機乗りだ。
随分と離れた場所にわびしく位置してる。
ああ。これがイージージェット。
旧いボーイング320の機体にEASYCOMと書かれている。
歩いて搭乗する。案内も無し、座席も自由。
乗務員は見当たらない。
反射コートを着た女性が数人。
掃除中だ。今、ニースから着いたばかりの様子。
やがてエンジンがフル回転しだす。
320の旧いエンジンが機体を振るわせる。
おや?反射コートを着た女性が救命設備を説明始めた。つまり彼らは客室乗務員だ。
1時間後、コートダジュール空港に着いた。
サービス無し、水無し,機内放送無し。音楽無し。墜落無し。機内誌なし。シートベルトあり。
まるで空飛ぶローカルバスだ。
不愉快なサービスより何にも無いほうが快適だともいえる。
ただ空中を運んでくれただけだ。
安くて美味しい空中散歩だった。
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by lautrec2kagoshima | 2008-12-03 17:59

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


by lautrec2kagoshima