最後のクリスマス

2度とありえないロートレックのクリスマス。
ロウソクの火が消えて、クリスマスツリーが何か話しかけてる。
32年間。
ロートレックのクリスマスにどれ位の人達がいらしたのだろう。
こんな小さな、しかし個性的なレストラン。
始めに人ありき。
最後に人ありき。
潜り抜けた厨房での戦争。
料理は格闘技に近い。
火に向かう縄文人の如し。
お客様が今か今かと待ち受ける。
一瞬の儚い料理はまるで恋に似てる。
前の日から構築したメニュが瞬間に消えていくんだから。
想いを打ち明けた瞬間に恋が消えるかのように。
出来のいい夜もそうでない夜も真剣勝負で生きてきた。
メニュが決まらず、眠れない夜のなんと多かったことか。
しかし、料理は高等なホモサピエンスの遊びだから。
味覚追及は何より楽しい記憶だ。
未来形。
再び新しい料理に立ち向かう。
後ろは向かない、上を向く。
30日の深夜まで自分に刺激剤を打つ。
諦めない料理で終わるんだ。
明日からまた常連をうならせる。


by lautrec2kagoshima | 2018-12-26 16:15

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


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