スーパー見習い

20歳の娘が1992年に登場した。
フランスでデザート学びたいんです。
で?
フランスに渡りたいんです。
そう。
という事で私はフランスの友人を紹介した。
ブルターニュの小さな村のホテルとレストラン。
パリ時代の仲間のお父さんが経営するホテルだ。
ほとんど無口に近いおとなしい、しかし芯の強い娘だ。
やがて、先方に娘の写真と手紙を送った。
娘は静かにここを立ち去った。
お母さんと二人暮らしの娘だった。
家族には決して恵まれない環境。
だからこそ、生きる意志が強いのか?
やがて1年が過ぎた初夏。
なんと、その娘がレストランの前に来てた。
今日から弟子にしてください。
その日から5年間、私の右腕に。
実によく働く。朝から深夜まで。
無給がいいんです。教えてください。自分のものにしたいんです。
1年後。あまりの成績優秀でフランス往復と休暇をプレゼント。
12月は朝5時から働いた。
お店を去る朝。
お世話になりました。ありがとうございました。
笑顔と少しだけの涙。
実にさわやかで美しい女性に成長してた。
2度とこんなに強い意志と情熱を持つ女性には会う事はなかった。
静かな人だった。
今頃どこにいるのだろう。
何回かここには来たが、今の居所は分からない。
ロートレックの一番弟子だった。

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by lautrec2kagoshima | 2018-07-11 21:49

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


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