カフェの男達

ピアフの生まれた19区のカフェの朝。
bon jour,monsieur,vous desirez?
何します?
カフェの主人が小声で私に話しかける。
un cafe,sil vous plait.
とカフェを注文する。
3ユーロと小銭を無造作に置く。
男達は決まってゴロワーズとジタン。
カフェに充満する独特の匂い。
一人で何時間もテーブルに座る。
フランス人じゃない。アラブ系の顔だ。
出稼ぎでフランスに渡り、地下で生きて来た男達。
その風貌は余りにいい味が出てる。
隣に座る。
どちらからともなく話かける。
そう、アルジェリアね。
独立戦争にも参加したとか、差別に苦しんだとか。
カフェは物語の舞台に相応しい。なまりのあるフランス語が味を出してる。
19区は観光客など皆無だ。
地下生活な場所。
何だかアルジェのカスバを思い出す。
一人でいつまでも1杯のカフェで呆然と空気を吸う男達。
諦めたのか、それとも未来を思うのか。
どんな場所に住んでるのか。
別れ際。
bon courage.
元気で。
最後に見せる奥深い笑み。
私はその場を立ち去る。
軽く握手して。
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by lautrec2kagoshima | 2014-10-30 16:46

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


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