来年

1986年の冬、15区のマリの家からタクシーで飛行場に向かった。
その年はパリじゃめずらしく雪が降る。
シトロエンの古い車体から白い煙が出てた。
マリと最後のキスを交わす。
それから29年の歳月が過ぎた。
帰国後を思うと、眠れない日々。
いざ自分で経営するとなると、それは並みの山じゃない。
無一文からのぼり始める帰国後。
借入から道具機械まで、膨大な経費です。
開店してすぐに軌道に乗るわけがありません。
それでも希望は捨てられません。
開店して4年後の事。
銀行からの借り入れでフランスに1カ月旅立ちました。
まだまだ知らない事がある、という馬鹿な理由だけで。
そんな向う見ずな私を帰国後にたくさんのお客様が待ち受けてくれました。
それから25年。
原点に戻るためにフランス国内だけじゃなく、イタリアの南の小さな町まで20数回。
他に旅好きな私はアジアも駆け抜けました。
30年の間で今が一番油が回っている気がします。
今年のフランスは少し出発が遅れそうです。
予約寸前に仕事の計画が邪魔して。
6月は予定通り仏検申し込み完了。
こうして毎日毎日大好きな仕事で生きて来ました。
私のビジネスの基本。
お客様を貴族扱いする。
自分を小さく見せるように。
あくまでも主人公はお客様。
料理の説明は訊かれたら、短く答える。
メニュに嘘を付けない、偽装は永遠に放棄する。
価格以上の価値を。
思い出になるような時間を。
それは唯一無二のレストランであるめの常識。
来年はお客様という名の家族全員でここでお祭り計画。
この2カ月近く、無休の日々。
明日は久しぶりに休日します。
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by lautrec2kagoshima | 2014-04-06 22:50

私達夫婦が経営する南仏・地中海料理のお店「LAUTREC(ロートレック)」の毎日の様子を綴ります。


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