軽蔑
2014年 02月 23日
ギリシャ神話のユリシーズと現代を並行させながらの映画。
実験的な、あの時代なら前衛か。
ギリシャ悲劇の一つ、男と女の時間と心理の駆け引き。
それを演じるのが29歳のブリジットバルドー。
妖艶な姿態。
その語り口。
古代も同じようにまず女が男に飽きる。
それが不滅の法則か。
それを男が嘆く。
嘆くだけじゃない。
まさに復縁を迫る。
迫るほどに女は逃避する。
最後に男に一言。
軽蔑。
女は新しい男と去りゆく。
赤いアルファのスパイダーでイタリアを走り去る。
そのあと。
自動車事故で2人はあの世へ。
ギリシャ神話を映画で撮影しながら、今の物語は展開していく。
事故の後、再び神話物語の撮影開始。
フランス映画は、その会話一つ一つが絵になる。
背後を想像させる。
その目が実に会話をしてる。
男と女は1度幕が下りると、もう2度と上がらない。
それ以降は単なる惰性と時間の浪費にすぎない。
軽蔑。
まるで哲学書に似てる。
乾いた会話と短いが濃密な内容。
フランス語独自の完成度の高い言語的な比喩がいい。
バルドーはけた外れの美しさだったんだ。